First Nations House – ファースト・ネーションズ ハウス – University of Toronto|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

First Nations House – ファースト・ネーションズ ハウス – University of Toronto|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情


 トロント大学のStudent Lifeでは学生生活をサポートするために、なんと14の学生サービス課があります。First Nations Houseはその1つで、主にカナダ先住民族出身の学生が文化的に安心して学生生活を過ごせるようにと、1992年に設立されました。

1.主なアカデミック・プログラム

@FirstNationsHouseUofT Facebookより
@FirstNationsHouseUofT Facebookより

 アーツ・サイエンス学部Centre for Indigenous Studies(CIS)は、アカデミックと地域コミュニティー、また先住民族コミュニティーやグループとの共同研究などを促進しています。例えば、Indigenous Studies Programでは、カナダや世界中の先住民族の言語、文化、歴史や知識などを中心に、先住民族でない学生でも学べるプログラムとなっています。Indigenous Language Initiative(Ciimaan/Kahuwe’yá/Qajaq)では、先住民族の言語を話したり学ぶことの出来る場所や機会を提供しています。Supporting Aboriginal Graduate Enhancement (SAGE)では、学生同士のつながりやコミュニティーネットワークを育成するサポートをしています。

 またOntario Institute in Studies in Education(OISE)(トロント大学オンタリオ教育研究所)との共同で、先住民族教育を学ぶ学生や教職員のためのIndigenous Education Networkがあり、高等または成人教育プログラムの開発や強化に力を入れています。公衆衛生学で有名なDalla Lana School of Public Healthでは、Collaborative Program in Indigenous Healthというプログラム下で、先住民族と医療を学ぶトレーニングを医療、公衆衛生、看護学などを学ぶ大学院生へ提供しています。

2.様々なサービスの提供

First Nations House(FHN)6月のイベントカレンダー
First Nations House(FHN)6月のイベントカレンダー

 先住民族コミュニティーではElders(地域の長老や年長者たち)をとても大切にします。First Nations Houseではまた、Elder in Residenceというイベントを開催し、学生に様々な先住民族コミュニティーのEldersやエキスパートと学び一緒に体験できる機会を提供しています。その他にも、チューターサポートや新入生のためのオリエンテーション、コーディネーターが常駐するコンピューターラボがあり、また毎月様々なイベントを開催しています(写真1)。

3.Indigenous Studies Students’ Union(ISSU)

 先住民族学を学ぶトロント大学の学生が中心とするIndigenous Studies Students’ Union(ISSU)では、毎月ニュースレターを発行し学生同士のコミュニケーションを高める活動をしています。また、Pow Wowと呼ばれる先住民族の伝統行事を毎年開催しています。コロナ禍により今年7月に行われたISSU主催のPow Wowはオンラインになりましたが、YouTubeでのライブストリームやウェブサイトでは沢山のショップが並び、盛り上がりを見せたそうです。

ISSUのロゴマーク
ISSUのロゴマーク

 カナダには先住民族学を学べる大学はいくつかあり、先住民族でない学生や地域住民のために開かれているイベントも沢山ありますので、一度参加してみてはいかがでしょうか?