COVID-19に対する影響:9月からの新学期に向けて University of Toronto|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

COVID-19に対する影響:9月からの新学期に向けて University of Toronto|メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

 毎年9月と言えば新学期シーズン。しかし今年はCOVID-19の影響で、カナダの多くの大学は全く違った新学期を迎えなければなりません。トロント大学の3つのキャンパス(St. George、UTM、UTSC)では夏の間、9月から始まる新学期に備えて各キャンパスでいかに安全に学生を迎え入れるかという準備をしていました。

(写真1)エレベーター近くに設置されているハンドサニタイザーステーションとCOVID-19感染防止対策ポスター
(写真1)エレベーター近くに設置されているハンドサニタイザーステーションとCOVID-19感染防止対策ポスター

 ミシサガキャンパス(UTM)では、各校舎への入り口と出口のサイン、各エレベーターにハンドサニタイザーステーションを設置し、マスク着用等などの注意書きのポスターなどが提示されています。レクチャーホールやクラスルームには、写真2でも分かるように授業を受ける学生がどの机と椅子を使用することが出来きるか、また2mのフィジカルディスタンスを学生同士またインストラクターと守れるように工夫されています。

(写真2)UTMレクチャーホールでは青いシートで机と椅子が使用できないよう覆われている
(写真2)UTMレクチャーホールでは青いシートで机と椅子が使用できないよう覆われている

 このような様変わりした状況は、秋学期から学生が各キャンパスに安全に戻ってくることが出来るように考えられたトロント大学でのCOVID-19感染防止対策のほんの一部です。また授業の実施形態も学生が安全に履修できるようにサポートしています。秋学期の授業の90%以上は原則オンラインで行い、対面授業は1/3以下に限られます。

 St. Georgeキャンパスで勤務するプロパティマネジメントディレクターのByrne氏は、それぞれの学部や学科と話し合い、感染拡大防止に対して可能な解決策、例えば廊下に出入りの案内標識を付けたりした、と話しています。またSt. Georgeキャンパスでは、教室内の変更と共に1,300個ある全てのトイレに壁掛けのペーパータオルディスペンサーを設置しました。

(写真3)クラスルームへの出入り口を仕切りで分けている
(写真3)クラスルームへの出入り口を仕切りで分けている

 スカーボロキャンパス(UTSC)では、学生は新しいCOVID-19感染防止対策サインによって安全に校舎内を行き来出来るようにしています。ビジネスデベロップメントディレクターのWdowczyk氏は、「教室の外に待合スペースを設置したり、図書館からTim Hortonsに向かう場合には床のサイン(写真4)で分かりやすく表示したりしています。またEメールなどで学生からの質問や要望にすぐに応じることや、9月から入学する新入学生への対応のために校舎内にスタッフを配置することも予定しています」と話しています。

(写真4)UTSCの校舎内の床に貼られたCOVID-19感染防止対策のサイン
(写真4)UTSCの校舎内の床に貼られたCOVID-19感染防止対策のサイン

 UTSCでは、教室の収容人数は通常120席ありますが、新学期に備えて教室内の往来を良くするために20〜30席に減らしています。こういった“ニューノーマル”が9月からの新学期には大学の至る所で見ることが出来るでしょう。

All Photos by Nick Iwanyshyn
参照: https://www.utoronto.ca/news/how-u-t-plans-keep-everyone-safe-campus-fall