新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年05月のカナダニュースダイジェスト by めるも

新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年05月のカナダニュースダイジェスト by めるも

 毎度やで!やっとあったかくなってきたなぁ。さぁ6月や、カナダの短い夏が始まるよってに、みんな楽しもうや!この2年、コロナで日本に帰る人を見送ることが多かったけど、最近やっと新しい人が増えて来たな。このニュース記事は、留学生や新移民、駐在で来た人など、まだまだカナダについてそんなに知りまへん、ってみんなに見てもらえたらえぇなと思てんねん。ほな、5月のニュースから3つ、読んでってや。QRコードからオリジナルの方もぜひ読んだってな。

NEWS 1 Bill 96、ケベック州でフランス語を保護する法律の制定へ

 ケベック州で、物議をかもしていたフランス語を保護する法案が、5月下旬に通る見通しだ。この法案が通れば、教育からヘルスケアや、他の言語でサービスを受けている移民者たちの権利など広範囲に渡ってケベック州の複数の法律やケベック州のCharter of the French Language(フランス語憲章)が見直されることとなる。フランス語大臣である、Simon Jolin-Barretteはケベック州はフランス語の州であるため、公的にもフランス語が使用されるべきだとの考えで、ケベック州でのフランス語の使用レベルを高めるには、まずそのように動くべきだと話している。

しかしながら、この法案には、カナダ自由憲章を上書きできる“Notwithstanding Clause(適用除外条項)”の適用の仕方などに批判の声も多い。(中略)Bill 96は、カナダ外からケベック州にやって来る移住者に非常に大きな影響がある。新しいルール下では、ケベック州にやってくる難民や移民者は、到着後、最初の6ヶ月は英語もしくは他の言語でもサービスを受けることができる。ただし、その後の全ての州政府のサービスは、“健康・公共の安全、またはPrinciples of Natural Justice(自然正義の原則)”から認められる例外を除き、完全にフランス語となる。つまり、例えば政府の役人が第1言語がイタリア語である移民をサポートしていたとして、もしその役人がイタリア語を話すとしても、フランス語を使わなければならない、ということになる。

https://www.cbc.ca/news/canada/montreal/bill-96-explained-1.6460764

おっちゃん’s EYE

 「ケベック州ってなんでこんなにも他のカナダと違うんやろう?」と思ったことないやろか。今回のニュースで出てきた、“Notwithstanding Clause”(適用除外条項)”って言葉は是非知っとくと面白いと思うわ。カナダは日本みたいに国で統一やなくて、州ごとにかなり独立して運営してるのは知ってると思う。とは言え、大元のルールとしては日本の憲法みたいなCanadian Charter of Rights and Freedoms(カナダ自由憲章)ってのがあるんや。だから、ある程度はみんな足並み揃えて動くんやけど、フランス系移民で構成されてるケベック州は、「カナダの国はそうするとしても、ケベック州はしませんわ」って条項を使って、独自にルール立てしてるねんな。(グーグルのやつに翻訳やらせたら「にもかかわらず条項」って言うとったわ)数年前に新移民者へのテストを導入したり、どんどんフランス語強化の方針のケベック州。この機会にカナダの成り立ちと歴史を、ぜひいっぺん調べてみてや!

NEWS 2 カナダディアンドリームのための大きな犠牲、留学生の学費は国内学生の3倍~4倍

 4月のインド人留学生の突然の死を受けて、多くの留学生やその家族が、カナディアンドリームを叶えるために直面している苦難が垣間見えた(※補足:今年4月、21歳のインド留学生のKartik Vasudevさんが、Sherbourneの駅で複数の銃弾を受けて亡くなった)。Kartikさんの父親は、取材に対し、彼とその妻は貯金のすべてと、自宅を担保として彼らの息子の1年目の授業料にあたる、5万ドルを捻出したと話した。「私たちは息子に大きな夢と希望を託していた」と話した。

 留学生の話を聞くと、このような話は一般的で、多くの被害があると言う。留学生は、国内学生に比べてほぼ4倍近い授業料を負担しており、その是正を求めている。オンタリオ州での調査によれば、留学生の数は公立カレッジのたった30%ほどしか占めていないのにも関わらず、授業料収益では実に68%、合計17億ドルにもなる。留学生のうち、62%もがインドからの学生だと言う。インドにはカナダと比べて職が少ないため、多くの学生はカナダで永住権を取り、自らと家族により良い将来をもたらすことを夢見てカナダにやって来る。留学生の1人は、「留学生は、仕事のストレス、学校のストレスを抱え、そして、非常に高額な授業料も払わなければならない。その上に、週に20時間しか働くことが出来ない」と、限られた時間で働きながらトロントの生活費を賄っていくことはとても難しいと話した。

https://www.cbc.ca/news/canada/toronto/international-students-tuition-sacrifices-1.6450240

おっちゃん’s EYE

  今は、どこのカレッジ/大学も、留学生用の情報ページも充実させとるけど、昔は、カレッジやら大学の授業料のページが分かりにくぅてな。留学生が、カレッジで年間7,000ドル、大学で1万ドルくらいの学費や思うて留学のプラン立てとったらDomestic、つまりカナダ市民権・移民権を持っている人用の授業料やった、ってことよぅあったんやなぁ。

 せやねん。この記事の通り、留学生向けの授業料は高い!カレッジで2倍の1万5,000ドルくらい、大学は3万~6万ドルや。1年分やで!高すぎやろ。実はな、留学生は卒業したらカナダの就労ビザもらえんねん。そのビザで稼げるであろうカナダ基準の高い給料と、就労経験を元にカナダ移民の足掛かりになる思うからみんな払うねん。でも、なんぼなんでも取りすぎちゃうか。ごっついキレイな校舎やら建てるんやったらもうちょい安くしてーな、とは思うわなぁ。

NEWS 3 トロント大学、著作権侵害でチューターサービス会社を提訴

 トロント大学と所属する3名の教授が、承諾なく、講義のスライドやシラバス、試験問題を繰り返し盗用して、学生に販売したとして、Canada’s Copyright Act(カナダ著作権法)違反でチュータービジネスを提訴した。訴訟は、Easy EDU・Easy Education・Easy 4.0・ez4eduなど複数のサービスを運営するEasy Group Incに対して起こされた。

 トロント大学のポリシーでは、教員がそれぞれに、自身の教材に対して著作権を持つ。2014年に設立されたEasy Eduは、北アメリカで最大の教育会社であると謳い、カナダ全土と中国でオフィスを運営している。ウェブサイトによれば、同社は1000以上のカナダの大学のプログラムに対してのコースを持ち、これまでにカナダ全土で21万人の学生をサポートしたとのこと。ウィークリーコースパッケージの価格は1,449ドルだ。同社は、トロント大学の持つ3つのキャンパスだけではなく、ウォータールー大学、ヨーク大学、マギル大学、ブリティッシュコロンビア大学、アルバータ大学などを含むカナダ全土の大学の学業サポートをしているとウェブサイトに記載している。

 訴訟は、同社は、多額の料金を支払いサービスを受けた悪意のない学生を、Academic Misconduct(学業上の不正行為)により人生を変えるような代償を負わせるとも主張している。Easy Eduの無許可のサービスにより、学生はそうと知らず大学で禁止されている不正行為を行っている可能性があり、停学などの処分に繋がる可能性がある。特に留学生については、停学などは学生ビザの取消し、本国への送還のリスクもあり得る。

おっちゃん’s EYE

 特にコロナでオンライン授業になったから、スライドをスクショしたりも簡単にできるやろうなぁ…。このニュースで知っておいてほしいのは、カナダの学校では、日本よりも不正行為に対しての処罰が厳しいってことやな。「レポート、コピペで出したった~!」なんてことはカナダの大学ではあり得へん。

 留学生の進学準備で必ずやるんは、エッセイ・レポートの書き方なんや。正しい引用、参考文献の出し方をしっかり知っとかんと、レポートがPlagiarism(盗作)でその年度の単位、全部没収、なんてこともあり得るんやで。グループワークの発表で、知らずにまるっとコピペした内容で出して、自分のせいでグループ全員がトラブルになったり…と考えるとゾッとするよな。もし、カナダで学校行きたいな、授業受けたいなと思ってるんやったら、この知識はしっかりおさえといた方がえぇで。

今月の独り言

  仕事や結婚でそのまま移民を取った場合、こういうカナダの当たり前を知らんかった!ってことも多いな。おっちゃんも、カナダの歴史をしっかり勉強したんはカナダ歴が10年過ぎてからやったで。ニュースを通してカナダの制度や常識について、調べたり考えたりするきっかけになったらおっちゃん嬉しいな。ほな、また7月、カナダデーの頃にまた会おうや!