第6回: 企業支援融資CEBAアップデートなどビジネス資金調達プログラム解説【COVID-19 パンデミック・カナダ】|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

第6回: 企業支援融資CEBAアップデートなどビジネス資金調達プログラム解説【COVID-19 パンデミック・カナダ】|カナダのお金について「なるほど納得!銀行のいろは」

早いもので、カナダでは3月上旬にCOVID-19が深刻化してから既に3カ月が経とうとしています。人々の不安が残る中、政府は5月中旬に段階的なリオープニング計画を発表し、その第一段階が5月19日より開始されました。

投資マーケットは回復の兆しを見せつつも、カナダ経済が受けた打撃は甚だしく、自営業・中小企業、特に新規ビジネスにとっては、難しいサバイバル戦となるでしょう。
【Q&A付き】ビジネスを救え!カナダ政府による追加経済政策「Canada Emergency Business Account」 | RBC銀行解説

まずは、カナダ政府が中小企業を対象に発表した4万ドルのローン、Canada Emergency Business Accountの最新アップデートについてです。

5月19日にローンの申請条件が再度改定され、Sole Proprietors、コントラクターを雇っている会社、給与ではなく、配当金による支払いを行っているファミリービジネスからの申請も受け付けることができるようになりました。これらのビジネス形態に該当し、2019年の総給与支払額が2万ドル以下の場合、次の申請条件が求められます。

  • 申請を受け付けている金融機関にてビジネス当座預金口座を持っていること
  • Canada Revenue Agency business numberを持っており、且つ2018年及び2019年の納税申告が完了していること
  • 延期不可能なビジネス経費が4万ドル~150万ドル以内であること(家賃、不動産税、光熱費、保険費用等)

また、カナダにある日本の海外子会社が申請できるかどうかの質問を受けますが、申請する会社のオーナーや親会社が必ずカナダ市民やカナダで設立された会社でなければならないという規定はありません。申請条件に満たしているのであれば、日本の会社の100%子会社でも申請できます。

それから、CEBAの申請期限は2020年6月30日となっています。こちらのローンは、政府が提供する特別資金援助の色合いが強く、通常の民営銀行の与信審査とは審査基準が大きく異なるため、申請条件を満たしているのであれば、有事の際のバックアップ用に備えておくことをお勧めします。

申請条件の改定後でも条件に満たず申請できない、或いは2019年における総給与支払額が規定の150万ドルを上回っていて申請できない、それから申請に成功し、4万ドルを受け取ったが資金繰りに足りないという場合は、次のBusiness Credit Availability Programをご参考ください。

  • Business Development Bank ofCanadaのBCAP
  • Export Development CanadaのBCAP

BCAPは、政府が80%資金を提供するもののCEBAとは異なり、ビジネス及びビジネスオーナーの財務能力、ビジネスの現状、それから今後の経営・財務計画に審査基準の焦点が当てられたいわゆる通常の与信規定をたどる借入プログラムとなります。COVID-19期間中のビジネスの経営状況を正確に理解するために、オペレーション面、資金繰り面、雇用面に関して詳しく聞かれるでしょう。

また、ビジネス、オーナー双方の信用調査(Credit Check)ももちろん行われます。元々ビジネス自身に体力があるのであれば、審査に通る確率も高くなりますが、財務能力が弱いビジネスの場合、オーナーの方にビジネスをバックアップできるくらいの財務能力が求められます。BDCローンはお取引のある銀行を通して申請します。EDCローンは、ウェブサイトで申し込みをし、申請条件に満たしていると判断された場合、お取引のある銀行を通して申請します。

また、これらとは別にFutureprener Canadaでは新規ビジネスに対して6万ドルを上限とする運転資金並びに経営指導を提供しています。ビジネスオーナーの年齢に制限があり、18歳~39歳と規定されています。”