第18回 「ESG Investingとは?」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第18回 「ESG Investingとは?」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

 ESG Investingとはどのようなことでしょうか?ESG Investingは「Investing in funds that focus on environmental, social, and governance(ESG)」の略で、日本語で言い換えると、ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。

Environment(環境)…会社が私たちの環境に与える影響、および私たちの環境が会社に与える可能性のある影響。気候変動、公害、資源、生物多様性、廃棄物管理などを考えてみてください。具体的には、二酸化炭素の排出量が多くないかどうか、環境を汚染していないか、再生可能のエネルギーを使っているかどうかなどを考えてみましょう。

Social(社会)…企業とその従業員、消費者、サプライヤー、およびコミュニティーとの関係。労使関係、多様性のある採用、人権、政治的自由、賃金格差、地域社会の尊重などを考えてみてください。

Governance(企業統治)…説明責任、透明性、信頼を確保するために企業が使用する構造またはシステム。会計慣行、倫理方針、取締役会の構成と監督、役員への支払い方法などについて考えてみてください。収益を上げつつ、不祥事を防ぐ経営をゴールとしています。

ESGは投資をどのように変えるか

 ESG要因とそれらが考慮する問題について理解できましたが、それらはどのように投資に組み込まれているのでしょうか?この分野の専門家が、3 つのESG要因に基づいて企業を採点します。それらのスコアに基づいてファンドを設計する人もいます。投資アナリストは、企業やファンドを調査・分析します。 ESGアナリストも同じことを行いますが、さらに一歩進んで、各企業に影響を与える可能性のある最も重要なグローバルESG問題を特定します。収集した知識とデータを組み合わせて、分析したすべての企業のESGスコアを作成します。次の場合、企業は高いスコアを獲得します。

● ESG問題の影響を受けにくい
● ESG問題の影響を受けると、回復する可能性が高くなる
● ESG問題がもたらす機会を最大限に活用できる

 ESGのファンドのパフォーマンスがよいかといえば、そうでもありません。しかし、投資の真の価値はもはやリターンだけでもありません。ESGの問題によって影響を受けるリスクと、ESGの問題によってもたらされる機会を最大限に活用する能力についても考慮してみるといいと思います。世界中の他の投資家と一緒に責任を持って投資するという決断を下せば、企業にも意思決定を促す可能性があります。プロセス、人材、製品、目的、そして最終的には世界への影響を変革する決定に導かれるかもしれません。