第17回 「可能性に満ちた米国の中型株」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第17回 「可能性に満ちた米国の中型株」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

 今月は、多くの方があまり注目していない米国の中型株(U.S. mid-caps)についてお話しします。米国の中型株は、可能性に満ちた資産クラスです。資本金の大きい企業は通常、小規模から始めて、潜在的に大きくなる前に、小型株から中型株に移行します。大型株になる準備ができている中型株に投資することで、投資家は大きな潜在成長率に参加する機会を得ることができます。もちろん、すべての中型株がいいというわけではなく、最も有望な中型株を特定することが重要です。いわゆる有名なアメリカの会社でなくても、強力で、競争上の地位を確立していて、競争上の優位性を分析できているのと同時に、成長と変化の可能性がないほど市場に飽和しているというわけでもないという企業の中型株を集めたファンドが狙い目です。

 カナダ人は、2021年1月から11月までの間に、記録的な820億ドルの米国証券に投資しています。これらの投資家たちは、過去20年間のS&P/TSX総合指数を上回る米国株式市場の歴史的なアウトパフォーマンスに魅了された可能性があります。アウトパフォーマンスの差は、2020年(16% 対 2.2%)と2021年(27% 対 22%)ではさらに大きくなっています。

しかし、多くのカナダ人投資家は母国バイアスのリスクも認識しており、世界の株式時価総額の97%以上が国境を越えていることを認識しています。そして彼らは、2020年のエネルギーセクターの課題が、資源への過度の集中によりS&P/TSX総合指数を引き下げるのを目の当たりにしました。その結果、多くの投資家は、米国株式への投資が潜在的にリターンを改善し、リスクを分散するために、地理的分散と業界分散の両方を強化するようにアドバイザーから提案されたと思います。

 米国の小型株は、高い成長性がある一方、株価は大幅に乱高下し、失敗率が高いというリスクがあります。また、米国の大型株は成熟した市場のポジションにありますが、長期的な株価の低迷、およびビジネス寿命も長く、成長率が低い可能性があります。米国の中型株は、小型株と大型株の調度いい中間に位置しています

 また、2022年3月31日までの20年間で、中型株(Russell Mid Cap Indexに代表される)は、小型株(Russell 2000指数に代表される)または大型株(S&Pに代表される)よりも高い年間リターンを生み出しました。モーニングスターのデータによると、小型株が7.4%、大型株が7.9%であるのに対し、中型株は9.0%でした。中型株に焦点を当てることで、投資家は、米国のインデックスを支配する傾向にある大型株のテクノロジー株への過度のエクスポージャーを回避することもできます。