第15回 「金利引き上げに対するFRBのアプローチは」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

第15回 「金利引き上げに対するFRBのアプローチは」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

 金利利引き上げに対するFRBのアプローチは、米国の景気後退を引き起こすのでしょうか。

 今回のFRBの金利の引き上げは食料とエネルギーの価格を下げることが目的ではありません。これらの価格はロシアとウクライナの対立とCOVID-19の影響による歪みの関数であり続け、金利の引き上げによって値段が下がるかどうかは疑問です。そのため、FRBは、一般商品などの分野でインフレを鎮圧する可能性のある経済の一部にデフレ力をかける必要があります。このようなシナリオでは、私たちの毎日の生活に必要なエネルギーや食料の価格が上昇したままで、金利に敏感な商品やサービス(ここでは住宅が主な例外)の価格が下落するという特殊な状況に侮る可能性があります。

 FRBは通常、物価安定と完全雇用を維持するという二重の使命を達成するためにバランスの取れたアプローチを取っています。しかし、この微妙なバランスは、現時点ではインフレに大きく傾いており、成長を犠牲にしているようです。これは、最新のFOMC声明に見ることができます。この声明では、金利設定委員会が第1四半期のGDPのマイナスを軽視し、代わりに家計支出と企業投資の強さを強調することを選択しました。これは間違いだと思います。米国の財政支出の減少(パンデミック関連の支出)はまだ完全には実現されておらず、世界的な成長が停滞するにつれて、米国の輸出に対する需要は弱まる可能性があります。これに伴い、中国でのCOVID-19関連の封鎖がサプライチェーンのさらなる混乱につながり、価格圧力を悪化させる可能性があります。これらが、総需要にどのように影響するかについては語られていません。FRBがほぼ完全にインフレのみを懸念しており、成長についてはそれほど懸念していないことを示しています。現時点では、米国の雇用市場は依然として人手不足が続いていますが、追跡しているいくつかの主要な経済指標は、今後数か月で勢いが鈍化する可能性があります。場合によっては、FRBは焦点の一部を雇用に戻す必要があると考えています。

 では、「FRBは、インフレと不景気のどちらの回避に焦点をあてるの?」という疑問があります。連邦準備制度理事会の議長によると、今後のFOMC会合で、(50bpsの引き上げではなく)25bpsの金利引き上げに戻る可能性があります。パウエル氏は、長期的なインフレがしっかりと固定されたままである必要があるということでした。政策としては、不景気をさけるためには、インフレを長引かせる可能性もあります。