第3回 「RRSPについて」|ファイナンシャルアドバイザーが解説!カナダの保険・投資商品

RRSPは、定年退職後または仕事の現役を離れた後のセカンドライフの収入を補足する資金を貯蓄するために金融機関を通し、政府に登録される口座です。もはや定年退職という言葉もなくなってきてはいますが、定年退職が仮に65歳であるとしても、その後の余命は、長くなってきおり、30年、40年になることもあります。健康で、十分な資金があり、家族やよい友人が周囲にいれば、長生きは恵まれたことです。

 一方、病気で、お金がなく、孤独であると、長生きは必ずしも恵まれているとはいえないかもしれません。生活水準はかつてないほど向上しており、物価も上がっていて、OAS、CPP、そして職場の年金ではセカンドライフを支えていくための資金が十分ではないかもしれません。そのため、働いて、収入のあるうちに、リタイアメントの資金を貯めるための口座がRRSPです。

 RRSPの口座はいくつでも持つことが可能で、複数の金融機関で開設することができます。RRSPへの毎月の積立金は税控除対象で、投資利益に対する税金は、リタイアして、資金を引き出されるときまで、繰り延べられるので、貯蓄と投資に有利になるという計算です。RRSPは非課税だと説明されるアドバイザーがおりますが、非課税ではなく、税金が繰り延べられるということで、いずれは税金を支払うことになります。働いている間は収入が多いので、税率が高く、税金を多く支払わなければなりませんが、リタイアした後には収入が下がるので、税率が低くなるので、支払うべき税金が少なくなります

 RRSPへの積立金の限度額は$27,830または年収の18パーセントです。Home Buyer’s Planでは、初めての不動産を購入する場合にはRRSPからお金を借りることができます。そしてLifelong Learning Planからは、口座の所有者または口座の所有者の配偶者が学校に戻りトレーニングを受ける場合にお金を借りることもできます。

借りるとはいっても、自分の積み立てたお金を引き出すことができるという意味で、また自分の口座に借りた分は返済しなければなりません。つまり、これらの目的以外の場合に、資金が必要であっても、リタイアするまでは引き出すことはできず、引き出す場合にはかなりの額のペナルティーを支払わなければなりません。RRSPを所有することにより、有利になる方と不利になる方がいらっしゃいますので、ファイナンシャルプランニング全体を考慮して、RRSPを所有するかどうか、また貯蓄額を決められるとよろしいとおもいます。