第29回 2022年の相場で値上がりした企業。値下がりした企業|みらいのカナダ株式投資大作戦

第29回 2022年の相場で値上がりした企業。値下がりした企業|みらいのカナダ株式投資大作戦

 こんにちは!みらいあせっとです!今回は、2022年の低迷相場の中で値上がりした企業、値下がりした企業を見ていきましょう!

 2022年の相場は2021年までとは異なり、厳しいものとなっていますよね。カナダやアメリカをはじめ、各国の積極的な金融引き締め政策(利上げ)。それに加え、ロシアのウクライナ侵攻、未だに続く供給網の混乱による物価高など、悪い話が多いです。

 このような中でどんな企業、どんな業種が値上がり・値下がりしているのでしょうか。

米国株より穏やかな下落のカナダ株

 最初に、2022年11月までのS&Pトロント総合指数の状況を見てみましょう。記事執筆時点(2022年11月15日)で、S&Pトロント総合指数の年初来パフォーマンスは-6.28%(カナダドル建て)と、わずかに下落しました。米国S&P500の下落率(-16.46%)に比べると、カナダの株式市場は持ちこたえたと言えます。

 米ドル建てのカナダ株ETF(EWC)の下落率も-8.93%ですから、通貨を揃えても米国株の下落が大きめでした。

 日本人の若い投資家が集まっているTwitterなどのSNSを見ると、特に昨年までは米国株に投資するのが正義との風潮が強まっていました。ですが、今年の成績を見ると、カナダ株を含め、多様な市場に分散投資するのも正しいように見えますね。

 では、具体的にいくつかの企業の株価を見ていきましょう。

2020年に注目を浴びたShopify

 オンライン通販にプラットフォームを提供するShopifyは、2020年には「巣ごもり銘柄」として市場に注目を浴びました。株価がぐんぐんと伸びた結果、一時はS&Pトロント総合指数でもっとも大きな銘柄にもなるほどでしたね。

 アメリカのGAFAMに対抗できる、カナダのIT企業として、個人的にもちょっと期待感をもっていました。

 そんなShopifyですが、2022年はここまで-69.44%の下落。もっとも深いところで-85.19%という、2000年代のITバブル崩壊時の相場を彷彿させる大幅な下落を記録しています。

 同社は2022年に入り、売上高こそ伸びていますが、利益が出ずに苦しんでいます。ウィズコロナが当たり前になってきた昨今を考えると、再び急激に利益を伸ばすのは難しそうに思います。

2020年はボロボロだったCanadian Natural Resources

 次は、2020年はボロボロだったCanadian Natural Resourcesを見てみましょう。この銘柄、2021年の途中で売り払ってしまい、今もほんのり後悔している株の1つです。笑

 同社の年初来パフォーマンスは+54.99%の大幅プラス。ウクライナ侵攻やOPECの原油増産・減産と原油を取り巻く様々なニュースがある中で、高いリターンを生みました。

 Canadian Natural Resourcesは2020年の困難な中にも配当を維持し、積極的に企業買収を行うなど、ほんと強い企業でしたね。あー、なんで売っちゃったんだろ。

2022年に強かったセクター・弱かったセクター

 セクター別に見ると、2022年に強かったセクターは、上述のCanadian Natural ResourcesやSuncor Energyなど、原油関連企業から成るエネルギーセクターでした。情報サイトのBarchart(https://bit.ly/3tBjz5V)のデータによれば、エネルギーセクターの年初来リターンは+59.34%です。

 逆に特に弱かったセクターはヘルスケア(-48.99%)とハイテクセクター(-32.29%)でした。カナダのヘルスケアセクターとは言えば、Canopy Growthに代表される大麻株ですね。わたしのポートフォリオにも少しだけ入れていたのですが、投資したお金は救いようがないほどにすっかり溶けていました。笑

 また、前述のShopifyはハイテクセクターに含まれます。ハイテクセクターでは、他にもBlackberry等も業績悪化に伴う株安が見られます。

 「原油高」という事情はありますが、結局のところは企業の実力に応じた株価になっている、と言えるのかもしれませんね。

まとめ

 今回はいくつか具体的な企業の株価推移を見ながら、2022年のカナダ株の相場を振り返ってみました。

 ShopifyやCanadian Natural Resourcesのように、2020~2021年と2022年では評価ががらりと変わった企業がたくさんあります。個別株のなかなか難しいところですよね。

 もし、個別株って難しいなぁと思ったら、投資信託(Mutual Fund)やETFを使って市場全体に投資して資産形成する方法もあります。あなたにとって楽な方法、あなたに合った方法を選べるいいですよね。

 2023年もなかなか厳しい見通しとのニュースもちらほら見かけるようになってきました。無理せず資産形成していきましょうね!