新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年01月のカナダニュースダイジェスト by めるも

新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年01月のカナダニュースダイジェスト by めるも

 あけましておめでとうやで!クリスマス~年末はまた規制が入ってもーて、ぱーっとやるってわけにはいかかったやろうけどゆっくり過ごせたかいな?2022年こそは?と思ってたけど、まだしばらくコロナとの付き合いは続きそうやで。せや、おっちゃん、“オミクロン”っていう1つの単語やと思てたんやけど、ちっちゃいオ(オ・ミクロン)、でっかいオ(オ・メガ)って意味やねんな。最近の一番の衝撃ニュースはそれやで、ほんま。さぁ、カナダでも年の変わり目ってことで、クリスマスあたりに多くのBill(法案)が可決されたみたいや。今回はちょっと法律について見て行こうや。

NEWS 1 オンタリオ州、カナダで初めて「労働者が仕事をDisconnect(切断)する権利」の制定へ

 コロナ禍で在宅ワークが一般的になったが、オンタリオ州は、労働者が業務時間の終了後に仕事からdisconnectする権利についての法案を可決した。2022年6月2日に施行となる。労働者のワークライフバランスの確立とメンタルヘルスを尊重する法制化で、カナダの中ではオンタリオ州が初。Working for Workers Act 2021(Bill 27)では、労働者が、仕事が終わった後に、E-mail、電話、ビデオコールなど仕事に関連したコミュニケーションから解放される権利について定めた。25人以上の従業員を抱える会社では、この権利について書面にてポリシーを定めなければいけない。フランス、スペイン、ポルトガルなど既に同様の権利について定めている国々に続いた格好だ。

 一方で、リモートワークが増える中、この法制化によって、管理職側の立場では、より仕事の生産性の管理が難しくなること、権利に基づきコミュニケーションを切断した従業員が評価を下げたり、昇進などの機会が見送られる可能性などマイナスの側面もある。統計によれば女性は男性よりも、自宅で家事に費やす時間が33%多いと言われており、性差による不公平も生まれる可能性がある。

おっちゃん’s EYE

 在宅ワーク、えぇやん~!って思ったけど、プライベートと仕事の境目がどんどん曖昧になってまうのは困りもんやな。とは言え、パジャマのズボンにジャケット羽織ってミーティングできる、っていう、メリットもあるんやけど。笑。このBill 27は、他にもビジネスオーナーに、デリバリースタッフがトイレを使えるようにさせる決まりや、労働契約上の競合禁止(Non-compete)条項で不当に労働者の副業や転職の権利を奪うことを禁止するとか、他にも文字通り、働く人のための法律(Working for Workers Act)になってるからいっぺん見てみてや。

NEWS 2 マリファナ合法化による交通事故での負傷ケースに増加傾向ナシ?

 マリファナ合法化に伴い、Impaired Driving(酩酊状態での運転)が増えたと言われているが、最近の研究結果では、オンタリオ州とアルバータ州では交通事故による負傷案件は増加していないという。ブリティッシュコロンビア大学では、同2州の2015年から2019年までの24万件の救急病院のレポートと、2018年の合法化から14ヶ月間の交通事故での負傷ケースを比較したが、合法化に伴う大きな増加傾向は見られなかったとした。研究を行った Northern British Columbia大学のRuss Callaghan教授は、マリファナ合法化と同時に、政府が当時の飲酒/薬物使用時の運転の罰則を強化する法改正をしたことが影響を与えたのではないかと分析している。

 一方で、この研究では、交通事故による負傷案件は増えていないとされたが、オンタリオ警察のデータによれば、Impaired Drivingの検挙件数それ自体は、261件(2018)から590件(2020)と、2年で126%の増加傾向を示している。同じく、衝突事故は123件(2018)から260件(2020)と同じく2年で111%と大幅な増加。カナダ全体では薬物による酩酊状態での事故総数は、2011年から減少傾向にあったが、2018年から19年に増加傾向へ転じた。

おっちゃん’s EYE

 合法化とととも、401の電光掲示板に注意喚起のマリファナマークが出るようになったんは記憶に残ってる人も多いかもしれなんな。事故数で見るか、検挙数で見るか、重症化ケースで見るか・・・合法化の結果論争は尽きへんのかもな。タバコにせよ、本人の選択やっちゅう言い方はできるかもしれけど、ニオイだけは慣れへんよなぁ。飲酒/薬物運転に限らず、スマホ操作も危ないし、まぁ、とりあえず、みんな気をつけて運転してほしいもんやで。

NEWS 3 Conversion Therapy(転向療法)を禁止する法案可決へ

 Conversion Therapy(転向療法)を禁止する、Bill C-4が正式に可決され、法制化されることが決定した。Bill C-4は、転向療法を、「個人の性的志向をヘテロセクシャル(異性愛)や性自認を身体上の性と一致するように矯正させようとする試み」と定義し、これらを奨励・提供することを犯罪行為と定める。トルドー首相は、この転向療法を「Despicable and Degrading(卑劣で品位をおとしめるものである)」と評し、LGBTQ2のカナダ人の権利を守る意向を示した。

 この法案は、上院・下院ともに全会一致で可決された。自由党が、転向療法禁止法案の成立を試みたのはこれが3回目。新法では、大人・子供問わず、転向療法の実施、もしくはこれらサービスの広告なども対象として、罰則を課す。転向療法は多くの性的マイノリティ者に長年に渡るトラウマを植え付けてきた。

おっちゃん’s EYE

 おっちゃんが日本で仕事してた時のカナダ人の友だちも、やっぱり親に言う時は大変やったし実際、カウンセリングを勧められたこともある言うてたから、みんな多かれ少なかれ関連した苦い思い出があるんちゃうかな。カナダにいてると、性的マイノリティに限らず、国籍・文化・言葉も違うんやから、何が正しくて当たり前かなんて決められへんのが当たり前やな、って実感に至るわな。そういう人が多くなって来て、誰かを「矯正しよう」なんてことは無理やし、やめとこうぜ、ってルールができたんやなぁ。

今月の独り言

 さぁ、2022年や。新しい働き方、新しいルール、新しい生き方・・・コロナ禍で気が抜けん時期ではあるけど、この時期に色んな見直しが起きたのはえぇこっちゃな。新しい世の中をどんな風に生きて行こうか、楽しみやな。さて、自分のNew Year’s Resolution(新年の抱負)は何やろうか。色んな人と話してみたらいいと思うで!