続·衝撃の事実 「家族移民申請のご相談」|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

続·衝撃の事実 「家族移民申請のご相談」|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
 9月号にて、「衝撃の事実」というタイトルで家族移民申請のご相談を承っている際に往々にして起こるケースをお話しました。

 記事がTORJAに記載された後、「あの記事を読みました。ショックでした。日本人のお客様でもあのようなことが起こるのですね」「知っていると思っても、相手を知っていないことがあるのですね」「お客様二人の間に挟まれた綾さんはどのように対応するのですか?」など、様々なご感想を頂きました。

 内容は割愛致しますが、お時間がございましたら是非ご一読下さい。今月号は前号の続編記事となります。

「Income Tax Filingを何年もしていない」「雇用証明書に記載する給与額が低い」「給与明細も無し」「貯金は無し」

 そのお客様(カップル)は元々家族移民申請に関するコンサルテーションの際から、私が不安要素を幾つか感じていました。その理由はお二人が「結婚は既にトロントで済ませており暫く経っているが、まだ私の移民申請をしていない」「私だけこれから日本に帰国し、夫はトロントに残るので遠距離婚となる」「遠距離の間は私が夫に毎月送金をしてサポートする」「私が日本にいる間に移民申請をして欲しい」というご相談であったからです。

 このお客様の家族移民申請準備は困難を極めました。主申請者である日本人の奥様は私共のアドバイスに従ってスムーズに物事を前に進めて下さるのですが、スポンサーのカナダ人のご主人の書類が幾度も滞り、その理由が「Income Tax Filingを何年もしていない」「雇用証明書に記載する給与額が低い」「給与明細も無し」「貯金は無し」など、コンサルテーションの際に私の質問に回答された内容と異なる事実が次々と判明していきました。

 その都度日本にいる奥様は「もうこの準備を続けていくことができません」「全てが苦痛です」とメールに書くようになりました。

綾さんと二人でお話がしたい

 ご主人の書類が滞ったことが理由で、予定よりも半年程遅れて移民申請しました。申請後、数ヶ月経って奥様から「綾さんと二人でお話がしたい」との連絡を受けZoomでお話してみると、「もう殆ど主人と連絡を取っていないのです。あまりにも主人に対して私が落胆してしまい、この人と一生を共にしても良いのだろうか、と考え出してしまいました」とのことでした。

 この少し前から、ご主人から私に宛てて攻撃的なメールが来ていました。奥様と私が影で相談をしていると思い、私共がご主人を阻害していると感じたようです。そのような攻撃的なメールを奥様が読んで、ご主人に対して更に落胆した、ともおっしゃっていました。

 彼女は涙を流しながら「もうカナダに帰って彼と結婚生活を送る気持ちが無くなってしまったのです」「カナダから心が離れてしまいました」と言われました。大切な決断ですので、しっかりと考えてから、移民申請をキャンセルするのか、それとも審査をこのまま待つのか考えて下さい、とお伝えしました。

 その数週間後にメールを頂き、キャンセルして下さいとの依頼を二人より別々に受けました。直ちに書面とメールでご両人の意思をカナダ移民局に伝達し、あとは移民局からキャンセルが完了しました、という連絡を待つのみでいました。

移民申請は一時の気の迷いでキャンセルする・再開するものではない

 
 その数カ月後に何と奥様から「彼とトロントで再会し、仲直りしました。移民申請はキャンセルせず、このまま審査を続行するよう移民局に連絡して下さい」というメールが届きました。既に移民局にキャンセルを要請しているので、いつキャンセルされてもおかしくない状況ですが、試してみますとお伝えした上で「キャンセルしないで下さい」と移民局に連絡したところ、問題無くケースが前に進んで行きました。

 ホッとしたのも束の間、その数カ月後にまた連絡があり、「キャンセルが完了した」とのことでした。移民局内部にて連絡が行き届いていないことが原因で起きたようでした。このお客様の移民申請は事実上、キャンセルとなりました。今現在、カナダ移民局に内部での連絡が不行き届きだったということを証拠も踏まえて弊社でレターを作成中です。

 久し振りにご主人に再会して、燃え上がる気持ちも重々承知していますが、移民申請は一時の気の迷いでキャンセルする・再開するものではありません。移民申請「後」のことをしっかりと考え、後悔しない決断をするようにして下さいと(これから申請される方に)お伝えしたい気持ちで今回この記事を書きました。