新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年02月のカナダニュースダイジェスト by めるも

新移民・留学生向け これだけは押さえておきたい!2022年02月のカナダニュースダイジェスト by めるも

 毎度やで。1月はまたあんまり人に会われへんようになって、ほんまどないしたらえぇねんって感じやな。おっちゃんも毎日YouTubeとNetflixのループやけど、とは言え、ちょっとだけ一緒に時間取ってカナダで何が起きてるかちょっと見てみようや。1月は法律についてに絞ってみたけど、今回は、環境問題・気候問題についてのニュースを3つ集めてみたで。

NEWS 1 Keurig、K-CUPのリサイクルに関する虚偽/紛らわしい表記があったとして、合計3ミリオンカナダドルの支払い命令

 Competition Bureau(カナダ産業省競争局)は、商品に使用されている使い切りタイプのK-Cupsがリサイクル可能であるかのように虚偽または紛らわしい表記をしたとして、Keurigカナダが3ミリオンドルのペナルティを支払うことで合意に至ったと発表した。Keurigカナダは、罰金に加え、80万ドルを環境保護団体へ、そして8万5千ドルをCompetition Bureau側へ係争にかかった費用として支払う。また、詳細は発表されていないが、Keurig社はアメリカでも同様の問題に対するクラスアクション(集団訴訟)で、先月示談に至ったと報じられている。

 Keurig社は、使い切りタイプのポッドは金属製の蓋部分を剥がして中身を空にした状態であればリサイクルできるとしているが、Competition Bureau側は、該当製品であるK-Cupsは、ケベックとブリティッシュコロンビア州以外ではリサイクルを受け付けられておらず、そのインストラクションもその他の都市でリサイクルシステムに組み入れられるほどに認知されていないとした。金銭的なペナルティに加えて、Keurigカナダ社は、パッケージの変更、ウェブサイトやソーシャルメディア、ローカル/全国的なメディアを通して、また、サブスクリプションユーザーにはEmailにて新しい使用方法についての告知を出さなければならない。Keurigカナダ社広報担当者によれば、3年前には既にカナダのリサイクルシステムで一般的なプラスティック製品の使用に切り替えたが、それでもまだ多くの都市で認知されていないとする。Competition Act(競争法/独占禁止法)では、企業が、その商品に対し、虚偽または誤解を招くような表記をすることを禁じており、その中には環境配慮に対する表記も含まれる。

https://www.ctvnews.ca/business/keurig-to-pay-3-million-fine-for-false-misleading-claims-on-recycling-of-its-k-cups-1.5730529

おっちゃん’s EYE

 Keurigは、ホテルなんかでも客室に置いてる所が多いけど、わざわざ蓋のシールをキレイに剥がして中身洗って捨てる人は少ないとは思うし、その情報自体、確かに周知はされてないかなぁと思う。ただ、使い捨てに罪悪感を覚えてた人はおるやろうし、この機会でひと手間かけてリサイクルに回してくれる人が増えたらいい方向に行くかもな。3ミリオンは痛いけど・・・。これまでの回でも何回か、カナダ人は環境問題に敏感やで、って言うたと思うんやけど、ニュースの最後の方に出てるgreenwashing言う単語はぜひ知っておいたらえぇな。whitewashingが、白塗りすること、つまり、うわべだけ取り繕うことっていう意味やねんけど、環境配慮(グリーン)に見せかけたという意味で使ってるねんな。

NEWS 2 Greener Homes Grantの審査期間、数か月から最大数年か。

 Canada Greener Homes Grant(環境に配慮した住宅改修のための助成金)は、21年度5月の受付開始から3日間で3万2000件、7月1日までに実に7万件近くものアプリケーションが提出された。多くのカナダ人からの住宅改修への助成金申請に、審査が追いついておらず、アプリケーションの大半が未処理のままとなっており、審査待ち時間は数か月から、年単位になると見られている。政府は、現時点で既に18万件ものアプリケーションを受け取っており、電動ヒートポンプ、窓やドア、ソーラーパネル、屋根裏の断熱材など、よりエネルギー消費を少なくする改修の費用を助成するものとなっている。担当審査官は膨大なアプリケーションを処理しているものの、2,500件程度しか審査が開始していない。1月18日時点で、1,227件のホームオーナーが全てのアプリケーションプロセスを終了したものの、未だ実際に助成金を受け取ったのは233名のみで、その合計は合計97万8,000ドルだと言う。7年で26億ドルの支出を予定しているこの助成金プログラムでは、最大でも70万人のカナダ人に、改修につき5,000ドル、そしてその評価にかかる費用として600ドルが支給される見込みだ。

https://www.theglobeandmail.com/business/article-canadians-seeking-greener-homes-grant-reimbursements-face-long-wait/

おっちゃん’s EYE

 1つ前のニュースと同じように環境配慮については元々カナダ人の気にするトピックということもあるやろうけど、これだけアプリケーションが殺到した理由は、コロナになってから、個人でもビジネスでも補助金の情報を見たり、実際に申請をする機会も多くなって情報に敏感になった・申請までの心理的なハードルが下がったからちゃうかなぁと思う。家におる時間も多くなって電気代が上がったから見直したいって家庭も多いやろうしな。おっちゃんは、リノベーションしてから使うつもりやったベースメントのトイレから水が流れっぱなしになってて、数千ドル単位の水道代の請求が来て腰抜かしたことあるわ。リノベーション・改修は気になったらすぐ手をつけることをおすすめするで!

NEWS 3 1983年以降、6番目に高い保険損失を記録

 22021年度にカナダで起きた悪天候によって保険会社が負担した費用の総額は、21億円にも及んだとの発表がなされ、納税者・保険会社ともに、気候変動に伴う経済的負担からは目を離すことができない。11月のブリティッシュ・コロンビア州の洪水、そして夏のカルガリーでの霰(あられ)ストームについては言うまでもなく、2021年、カナダは1983年以降、6番目に高い保険損失を記録した。ミュンヘン再保険会社の発表によると、2021年度の自然災害による保険損失は、世界規模では3550億ドルにもなった。

 カナダ保険協会のスチュワート氏によれば、「1983年から2008年の間の自然災害に帰する平均保険損失は、4億2200万ドル」とのこと。「カナダ政府は気候変動に対する対策を最優先課題とすべき。2030年度までに、国の気候変動への対応策は、カナダ人の保護のために測定可能で具体的な行動を示さなければならない」と語った。

http://www.ibc.ca/on/resources/media-centre/media-releases/severe-weather-in-2021-caused-2-1-billion-in-insured-damage

おっちゃん’s EYE

 データを見てみると平均すると1ヶ月に1回はストームやら山火事から洪水やらが起こっていて2021年はほんまに大変な年やったなぁ。保険損失に関しては、この約40年のうちで6位とは言うてるけど、実際21年度の損失額は、5〜3位とはそんなに差がない上に、5位は2018年、4位はおととしや。もっと言うと、トップ10のうち1998年/2005年を除いたらそもそも10年以内やないか、言う話やで。肌感覚としては、気候が変わっとるなぁ、おかしいなぁとは感じてても、数字やグラフで見せられると実感するわな。

今月の独り言

 2019年、国連気候行動サミットのグレタ・トゥーンベリちゃんの演説は、日本でも翻訳されてニュースになったみたいや。「We will be watching you.(若い世代の私たちは見ていますからね)」「How dare you(よくも)~」という言葉が突き刺さった大人も多かったんやないかなと思う。

 レジ袋の有料化・プラスチックストローの廃止・・・とカナダで生活する中で、実際の対策や変化を目にすることも多いけど、まだまだ課題は山積みや。とは言え、ほな環境に良いことって言われてもどこから手をつけたらいいか分からんわ、ってこともあるやろうから、色んな人とこういったニュースをきっかけに意見や情報を交換するとえぇな。