Toronto International Film Festival

2025年9月4日から14日まで開催される第50回トロント国際映画祭（TIFF）。節目の年となる今年は、数多くのワールドプレミアが予定される中、日本映画もたくさん選出されている。石川慶監督×広瀬すず主演『遠い山なみの光』、吉沢亮・横浜流星共演『国宝』、細田守監督『果てしなきスカーレット』など、カンヌやヴェネチアなどの映画祭で上映された話題作に加え、TIFFトリビュートアワードの受賞が予定されているHIKARI監督×ブレンダン・フレイザー主演『Rental Family』のワールドプレミアなど、例年以上に期待が高まるラインナップだ。

All Image credit: Courtesy of TIFF（exclude John Candy: I Like Me）

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第50回 TIFFトロント国際映画祭（日本映画）

今年の注目作品「洋画」

Special Presentations
The Christophers

著名な画家が未完のまま放置していた作品を完成させ、死後に遺産の売却益を山分けしようと、画家の子どもらが絵画修復師の女性に話を持ちかける。この話に乗ることにした女性は、助手として画家のもとに出入りすることにする。『オーシャンズ11』（2001）や『プレゼンス 存在』（2024）のスティーヴン・ソダーバーグ監督によるブラックコメディ。ワールドプレミア。

Gala Presentations
John Candy: I Like Me

トロント出身のコメディアンで、『大災難P.T.A.』（1987）や『クール・ランニング』（1993）などへの出演でも知られるジョン・キャンディを描いたドキュメンタリー。スティーヴ・マーティン、トム・ハンクス、キャサリン・オハラなど、親交のあった友人や家族が率直に振り返る。俳優としても活躍するコリン・ハンクス監督の最新作。今年のオープニング作品。ワールドプレミア。 Image credit: Courtesy of the Candy Family Estate

Special Presentations
Mile End Kicks

2011年のモントリオール。男性向けインディ誌に音楽評を書く23歳の女性が、実家を出て音楽業界でもまれながら成長していくロマンティック・コメディ。チャンドラー・レヴァック監督が音楽ジャーナリストとして活動していた頃の経験をもとに描いた作品。長編デビュー作『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』(2022)がTIFFで好評を博したチャンドラー・レヴァック監督の最新作。ワールドプレミア。

Centerpiece
Blue Moon

1943年、ブロードウェイミュージカル『オクラホマ！』初演の夜。舞台の大成功を祝して賑わうニューヨークのレストランSardi’sで、かつて作曲家リチャード・ロジャーズと組んでいた作詞家ロレンツ・ハートを描く。『恋人までの距離』（1995）や『ヒットマン』（2023）のリチャード・リンクレイター監督の最新作。今年のベルリン国際映画祭上映作品。北米プレミア。

Special Presentations
Dead Man’s Wire

住宅ローンの支払いが遅れ、家を奪われると思ったトニー・キリツィスは、ローン会社の社長に銃を突きつけて人質にとる。1977年にアメリカで実際に起きた誘拐事件を描いた作品。『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』（1997）、『エレファント』（2003）、『ドント・ウォーリー』（2018）などのガス・ヴァン・サント監督の最新作。今年のヴェネチア国際映画祭上映作品。北米プレミア。

Special Presentations
Sentimental Value（原題『Affeksjonsverdi』）

著名な映画監督である父親と、俳優で父と疎遠になっていた2人の娘。父親が、自身の監督作に娘を起用しようとするも出演を断られ、代わりにハリウッドスターを起用する。『テルマ』（2017）や『わたしは最悪』（2021）のヨアキム・トリアー監督の最新作。今年のカンヌ映画祭グランプリ受賞作品。カナダプレミア。

Special Presentations
Frankenstein（邦題『フランケンシュタイン』）

メアリー・シェリー原作の同名小説の映画化で、科学者ヴィクター・フランケンシュタインをオスカー・アイザックが、彼が創造する怪物をジェイコブ・エロルディがそれぞれ演じる。『パシフィック・リム』（2013）や『シェイプ・オブ・ウォーター』（2017）のギレルモ・デル・トロ監督の最新作。今年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門上映作品。北米プレミア。

Gala Presentations
Eleanor the Great

長年のルームメイトだった親友の死を機に、フロリダからニューヨークへ移り住んだ90代の女性が、マンハッタンでホロコースト生還者の集いに参加し、過去の体験を語り始める。『ロスト・イン・トランスレーション』（2003）や『ブラックウィドウ』（2021）などへの出演で知られる俳優スカーレット・ヨハンソンの長編初監督作。今年のカンヌ映画祭上映作品。北米プレミア。

Gala Presentations
Roofman

困窮した退役軍人がマクドナルドに強盗に入り、逮捕され収監されるが、脱獄してトイザらスに逃げ込む。屋根から侵入して「ルーフマン」と呼ばれ、刑務所を脱獄してトイザらスに潜伏した強盗犯ジェフリー・マンチェスターを描く実話を元にした話。『ブルーバレンタイン』（2010）や『光をくれた人』（2016）のデレク・シアンフランス監督の最新作。ワールドプレミア。

Gala Presentations
The Choral

1916年、第一次大戦下の英国ヨークシャー。徴兵により合唱団員が抜けていく中、合唱団の指揮者は、町の青少年を新団員として集め始める。彼らにも徴兵が迫る中、合唱団で歌う喜びや渇望を見出していく。『英国万歳！』（1994）、『クルーシブル』（1996）、『ミス・シェパードをお手本に』（2015）などのニコラス・ハイトナー監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
The Lost Bus

1日の仕事を終えようとしていたスクールバスの運転手が、北カリフォルニアで広がる山火事の中、23人の小学生の救出要請を受ける。2018年に米カリフォルニア州で発生した史上最悪の山火事の際に、命がけの救出劇を遂げたバス運転手の実話。『ユナイテッド93』（2006）や『ジェイソン・ボーン』（2016）のポール・グリーングラス監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
Steal Away

10代の少女の家族が、難民の少女を一家に受け入れる。生活習慣の異なる難民の少女ととともに過ごすうち、2人の少女は絆を深めていく。前作『Brother』（2022）がTIFFで好評を博したクレメント・ヴァーゴ監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery

『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』（2019）、『ナイブズ・アウト グラス・オニオン』（2022）に続き、名探偵ブノワ・ブランが活躍する殺人ミステリーのシリーズ第3弾。前2作を監督したライアン・ジョンソン監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
Good News（原題『굿뉴스』）

1970年、東京の羽田空港から板付空港に向け離陸した直後の旅客機が、武装した連合赤軍にハイジャックされ、行先を平壌へ変更させられる。日本と北朝鮮では着陸に必要な情報共有もない中、飛行機をなんとしてでも着陸させようと、ある男が秘密裏に招集される。『名もなき野良犬の輪舞』（2017）や『キングメーカー 大統領を作った男』（2022）のピョン・ソンヒョン監督の最新作。ワールドプレミア。

Gala Presentations
A Private Life（原題『Vie privée』）

著名な精神科医の患者が亡くなる。殺されたに違いないと考える精神科医は、密かに調査を始める。ジョディ・フォスター初の仏語による主演作で、ジョディ・フォスターは今年のTIFFトリビュートアワード受賞が発表されている。『グランド・セントラル』（2013）や『プラネタリウム』（2016）のレベッカ・ズロトヴスキ監督の最新作。今年のカンヌ映画祭上映作品。北米プレミア。

#11 Gala Presentations
Homebound

北インドの小さな村に暮らす幼なじみの少年２人が、警官の制服を着れば人としての尊厳が認められるとの思いから、250万人の応募者から3500人だけが採用される警察官の求人に応募する。『Masaan』（2015）で長編デビューしたニーラジ・ゲイワン監督の最新作で、マーティン・スコセッシが製作を務める。今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門上映作品。北米プレミア。

#12 Gala Presentations
Hamnet

名作『ハムレット』が誕生する前、息子ハムネットを亡くしたシェイクスピアと妻アグネスの物語。マギー・オファーレルによる同名小説の映画化。『ノマドランド』（2020）や『エターナルズ』（2021）のクロエ・ジャオ監督の最新作。カナダプレミア。

Special Presentations
The Captive（原題『El Cautivo』）

1575年、小説『ドン・キホーテ』の作者ミゲル・デ・セルバンテスが捕虜となっていた時期に、物語の創作に活路を見出す。『オープン・ユア・アイズ』（1997）や『アザーズ』（2001）のアレハンドロ・アメナーバル監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
Franz

チェコの小説家フランツ・カフカを描いた伝記映画。『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』（2019）や『人間の境界』（2023）のアグニエシュカ・ホランド監督の最新作。ワールドプレミア。

Special Presentations
Hedda

ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンによる1891年の戯曲『ヘッダ・ガーブレル』の映画化。『キャンディマン』（2021）や『マーベルズ』（2023）のニア・ダコスタ監督最新作。ワールドプレミア。

Gala Presentations
She Has No Name（原題『酱园弄 悬案』）

1940年代の日本占領下にある上海で、夫殺しの容疑をかけられた女性の実話を元にした話。『ウォーロード 男たちの誓い』（2007）や『捜査官X』（2011）のピーター・チャン監督の最新作。昨年のカンヌ映画祭上映作品。北米プレミア。

Special Presentations
The Smashing Machine（原題『Affeksjonsverdi』）

総合格闘技の人気を盛り上げながらも、試合を重ねるほどに鎮痛剤の中毒に陥った総合格闘家マーク・ケアー。UFC殿堂入りを果たした実在の総合格闘家をプロレスラー出身のドウェイン・ジョンソンが演じ、ドキュメンタリー的に描いた作品。兄のジョシュ・サフディと共同監督した『神様なんかくそくらえ』（2014）や『アンカット・ダイヤモンド』（2019）のベニー・サフディ監督の最新作。今年のヴェネチア国際映画祭上映作品。北米プレミア。

Special Presentations
The Wizard of the Kremlin （原題『Le Mage du Kremlin』）

2019年。冷戦後のロシアを学生時代から過ごしプーチンの側近として仕えるなど、長きにわたりロシアの政治を見てきた男が、その人生を米国人記者に語り始める。ジュリアーノ・ダ・エンポリによる2022年の同名小説の映画化。『パーソナル・ショッパー』（2016） や『冬時間のパリ』（2018）のオリヴィエ・アサイヤス監督の最新作。今年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門上映作品。北米プレミア。

Special Presentations
& Sons

妻を亡くし、2人の息子と疎遠になって20年。その間、執筆せずに別の女性との間にもうけた息子を育ててきた作家が、親友の死を機に、3人の息子たちを引き合わせることにする。デヴィッド・ギルバートによる同名小説の映画化。『エル・クラン』（2016）のパブロ・トラペロ監督の最新作で、サラー・ポーリーが共同脚本を務めている。ワールドプレミア。

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